家猫の徴表

野良だったポテが家に来てそろそろ3カ月という頃、この猫は家猫になったのだなぁと明確に感じる出来事がいくつかあった。

まず、帰宅時に姿を見せるようになった。以前のポテは鍵の音にびびって毎回ベッドの下に籠るので、部屋に入るとまずは腹這いになって姿を確認しなければならなかった。それがいつの間にか、ラグの上にちんまりと座って出迎えてくれるようになり、今では、人間が帰宅する気配がすると小走りで玄関に向かってくる。脱走防止のために玄関の手前の扉を閉めてあるのだが、その扉ギリギリのところにいることが多いので、おそるおそる扉を開く癖がついた。

早くごはんちょうだい

また、頭上が覆われていない場所でくつろぐようになった。これはホットカーペットの功績が大きい。床が暖かいことに気づいてから、ポテはベッドや椅子の下ではなく部屋の中央で転がるようになった。窓際に置いた爪とぎの上で日向ぼっこをする姿も一度見かけた。

今日は西日が良い感じ

そして何より、遊ぶようになった。一瞬で飽きたエビのけりぐるみを除けば、ポテは何かにじゃれついたり遊んだりすることはなかった。高齢だからそんなものかなと思っていた。ところが11月のある日、在宅ワーク中の私の足元にくっついていたポテが、不意にパソコンの電源コードに気づいてそわそわし始めた。おやと思ってコードを少し揺らしてやると、じゃれついてくるではないか!以前買った(そして見向きもされなかった)じゃらしを見せると軽快な猫パンチを繰り出してきた。

それ以来ポテは1日に1回はじゃらしで遊んでいる。人間の手やコードにソフトタッチするのが「遊びたい」という合図で、じゃらしを持ってくると戦闘を開始する。攻撃の主力は前足から繰り出される強力なパンチである。たまに空振りして、なに…?という感じで呆然と拳を見つめているのがおかしい。興が乗ってくるとじゃらしを抱え込んで噛みつくのだが、ポテは全抜歯しているので攻撃力はゼロである。

上空の敵を迎撃

地上の敵を捕獲

10月から12月にかけて仕事に追われていたのだが、よく食べよく寝てよく遊ぶ猫にずいぶん助けられた。今はどれだけ忙しくても職場で徹夜することはない。ポテのごはんを用意しなければならないし、ポテと眠らなければならないからだ。猫と暮らすと生活リズムが整うというのは本当である。