猫の感情の起伏(物理)

野良時代はおとなしい子だと思っていたが、一緒に暮らしてみればポテは感情の起伏の分かりやすい猫であった。感情の起伏というのは、文字通りというか、見たまんまの意味である。

例えば定位置であるベッド下にクイックルワイパーをかけると、ポテは隅っこで縮こまりこんもりと丸くなる。その体勢のまま非難の目つきでこちらを見てくる。仕事から帰宅した時も、鍵の音に毎回びっくりしてこの体勢になる。

こんもりとしたポテ

このような場合しばらくそっとしておくのが定説だと思っていたのだが、ポテは構った方が早く落ち着くらしい。そばにいって手のにおいを嗅がせ、大丈夫だよと話しかけながら撫でていると、小さな山のようになっていたポテが香箱を組む。

若干なだらかになったポテ

そこから撫で続けるとさらに平らになり、最終的にはお腹を床につけ手足を投げ出してくつろぎの姿勢をとる。リラックスしている時の方が目つきが悪いのがおもしろい。

完全に平らになったポテ

山から平地への起伏の変化に要する時間は日に日に短くなっている。最近は帰宅してベッドの下を覗くとすでに香箱を組んでいることもある。こんもりとした姿を見られなくなるのは少し寂しいような気もするが、安心して寝られる場所を提供できたのであればこれ以上嬉しいことはない。