猫と引越し①

猫と引越し ① / ②(完)

この度、猫のポテを連れて引越しをした。

前の家も悪くなかったが、2人と1匹に1K(ぎりぎり1DK?)は狭かった。意気揚々と探検に出かけたポテが洗面所をちらりと覗いただけでテクテク戻ってくる様子など見る度に、もっとスペースがあった方が楽しいのかなぁと思ったりしていた。それに西向きで日が差す時間が少ないのも気になっていた。

そこへ間取りや立地が条件に合う物件に出くわし、まぁ見るだけなら…と内覧を申し込んだのが去年の11月。日当たりの良い部屋で、内覧した時にひなたぼっこするポテの姿が目に浮かび、それで結局その日のうちに決めてしまった。他の物件と比較することもしていない。我ながら大丈夫なのかと思う即決ぶりだった。

トイレカバーの上で貴重な西日を浴びるポテ

ということで猫を連れての引越しである。なるべくポテにストレスを与えないように、そして何より作業中に脱走したりしないよう細心の注意を払わねばならない。

引越し前日、我々は荷物を少しずつキッチンに運び出し、ポテのいる部屋の扉を閉め切ってパッキングを開始した。それでもテーブルを解体したりする大きな音が聞こえるのでポテはハウスに籠っていたようである。夜になって作業が一段落すると、積まれた段ボール箱の山を不思議そうに見て回っていた。

見慣れない景色

翌朝、ポテはいつも通り餌を完食しポテチ(ポテのうんち)も済ませた。これで一安心である。あとは再びポテの居室を閉め切って、扉の外に立入禁止の張り紙をしておき、引越し業者にはキッチンで集荷作業をしてもらう。作業中は私はおおむねポテと同じ部屋にいて様子を見ていたが、知らない人間の気配に目を丸くしつつも落ち着いた様子であった。

扉の張り紙

運び出された荷物が届くのは翌日である。新居へは明日移動することにして、我々はがらんとした部屋に布団を敷いて眠った。この家で夜を過ごすのも最後かと思うと何だか感慨深く、家に来たばかりのポテが冷蔵庫と壁の隙間で排尿したことや、ベッドの下で初めてお腹を見せてくれたことを思い出した。