コペルニクス的発想

愛猫と一緒に眠るという野望は、あれ以来行き詰っていた。

ポテと暮らし始めて3カ月頃、夕食後は床に敷いたラグの上に集まり、体を寄せ合ってアニメや海外ドラマを観るのが日課になっていた(ポテはウォーキング・デッドがお気に入り)。深夜、そろそろ就寝時間なのでポテのそばを離れてベッドの上に移動する。するとポテはさっと起き上がり、うらめしそうにこちらを見上げてくる。その眼差しに耐えかねてベッドを降り床に戻ると、ポテはすぐさま腹ばいになってぴたりと体を寄せてくる。どう見ても一緒に寝たいのではないか。そう思ってベッドに抱き上げるとさっさと降りてしまう。そしてまた座り込んでじっとこちらを見上げる。

そんなことを繰り返していたある夜、閃いた。ポテが上らないのなら、我々が降りれば良いではないか。ということで人間も床の上で寝ることにした。布団をかぶせるとポテがびっくりしてしまうので、人間は着る毛布を着て、ポテのそばで横になる。ポテは満足げに喉を鳴らし、我々は幸せな眠りに落ちた。数時間後、寒さで目を覚ますとポテは隣におらず、段ボールハウスの中で熟睡している。人間は肩を落とし、体の節々に痛みを感じながらベッドに戻るのだった。

これがしばらく続き、いよいよ肩と腰が強張ってきたある夜、また閃いた。敷布団を床に降ろせば良いではないか。我が家では敷布団をすのこベッドの上に載せて使っていたのだが、ラグの上に直に敷いてしまえば良い。さっそく、ポテが離れた隙に布団を敷いてみた。テリトリーに突如出現した物体にポテは最初こそ警戒したものの、敷布団の上に抱き上げるとすんなり横たわった。

率先して枕元にスタンバイ

こうして人間2人の間に猫が挟まってぐっすり眠るという純度100%の幸福が訪れた。ポテはすぐに掛布団にも慣れた。何なら人間の上で寝てくれることだってある(これは自慢である)。明け方にみぞおちに鋭い一撃を食らったと思ったら、ポテが私を踏んづけてトイレに向かうところだったこともある(これも自慢である)。

まだ寝ないの?

というわけで猫と寝床で寝正月を満喫している。あけましておめでとうございます。

2023年元旦 まだ眠たいポテ