Pharrell Williams “Runnin'” 和訳

今回はPharrell Williamsの“Runnin'”。

2016年の映画「ドリーム(原題:Hidden Figures)」のために書き下ろされた曲である。

 

Summertime in Virginia was a oven (oven)

ヴァージニアの夏はオーヴンの中にいるみたい

All the kids eating ice cream with their cousins (cousins)

子どもたちは従兄弟とアイスクリームを食べている

I was studyin' while you was playing the dozens (dozens)

そっちが遊びまくっている間 こっちはずっと勉強していたの

Don't act like you was there when you wasn't

だからその場にいたような顔をしないで いなかったくせに

 

Runnin' from the man (man) runnin' from the badge (badge)

男に背を向けて走る 権威に背を向けて走る

Don't act like you was there when you wasn't

その場にいたような顔をしないで いなかったくせに

Runnin' toward our plans (plans) in the judge's hands (hands)

計画に向かって走る 結果は判事の手に委ねられる

Don't act like you was there when you wasn't

その場にいたような顔をしないで いなかったくせに

 

★I know they say you crawl 'fore you walk

人って歩く前はハイハイするものなんだってね

But in my mind I already jog

私は最初からジョギングしていたつもりだけど

If I stand still I cannot get far

立ち尽くしていたら遠くまで行けるはずがない

They want the Moon, I'm on Mars

みんなが月を欲しがっている間に 私は火星の上だよ

 

★★Sometime my mind dives deep

When I'm runnin'

走っていると時々 思考が深く潜っていく

I don't want no free ride

I'm just sick and tired of runnin'

ただ乗りしたいわけじゃない ただもう走るのにはうんざりなんだ

Some nights I cry

Cause I can’t see the day comin'

夜明けが見えなくて 涙する夜もある

Together we'll fly

Oh, but no more runnin'

私たち力を合わせれば飛べるよ だけど、そう、走るのはもうおしまい

 

You and I are not different from each other (other)

あなたと私 何も違わないでしょ

Shut our eyes, when we slumber I see numbers (numbers)

目を閉じてまどろんでいても私には数字が見える

Black and white, we're computers, I am colored (colored)

黒と白のコンピュータの世界 私は「有色」だけどね

Don't act like you was there when you wasn't

だからその場にいたような顔をしないで いなかったくせに

 

From runnin' to exams (exams) to jobs for a man (man)

走るのをやめて試験を受ける 男向けの仕事を受ける

Don't act like you was there when you wasn't

その場にいたような顔をしないで いなかったくせに

In the law of the land (land) the women were often banned (banned)

女が土地を所有することは滅多に認められなかった

Don't act like you was there when you wasn't

その場にいたような顔をしないで いなかったくせに

 

★繰り返し

★★繰り返し

★繰り返し

★★繰り返し

 

(訳:ひので)

 

映画は1960年代初頭のNASAを舞台に、計算手としてマーキュリー計画を支えた黒人女性キャサリン・ゴーブルを描く。

“Runnin'”は、キャサリンが自分のデスクと黒人女性用トイレとの間をピンヒールで疾走するシーンで使われている。

当時は有色人種の分離政策によってトイレが分けられており、まして黒人の女性が計算手として働くことなど想定されていなかったため、建物内にキャサリンが用を足せる場所がない。そんなわけで彼女は毎日限界までトイレを我慢した挙句、800メートル離れた黒人女性用トイレに向かって(計算中の大量の資料を抱えたまま)走る羽目になる。

ちなみにスカートにヒールを履くことや真珠のネックレスをつけることは服装規則で決められており、真珠のネックレスなど買う経済的余裕はないとキャサリンが憤るシーンもある。

 歌詞といい小走りな感じのメロディといい、劇中で疾走するキャサリンの姿にぴったりはまる曲である。

 

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